CD&DVD「太陽肛門スパパーンと人間」に寄せられたコメントです。

皆様、参考にしていただきぜひともご購入・熟聴・熟視いただければ幸いです!!

●文芸批評家でもある同志、絓秀実さんから素晴らしいコメントをいただきました。短い中に我々の意義と限界の本質を簡潔に剔抉したコメントだと思います。皆さんぜひ討議と行動の参考にしていただければ幸いです。

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革命には詩と音楽が必要だ。それは誰もが知っているが、忘れられがちなことである。ロシア革命100年であり1968年革命50周年の前年である本年に、太陽肛門スパパーンの「ベスト」アルバムが出されたことは、それだけでも記念碑的な出来事である。スターリン批判が実は「社民化」にほかならないことが明らかになった今日、花咲政之輔を「中心」とした有象無象のその「軍団」は、革命の不可能性が誰の目にも明らかな時代において、あえて革命の不可避性を、この20数年のあいだに主張し、哄笑と抒情とともに歌い続けてきたし、それは今後も持続されることだろう。千のロシア革命への反省、万のスターリン批判、そして、68年のロマン主義とアカデミズムへの回収作業に抗して、である。それが、実は、きわめて散文的な営みでもあることも、私は知っているつもりだ。

-絓秀実(文芸批評家)

映画監督の七里圭さん(http://keishichiri.com/jp/)より、太陽肛門スパパーンベストCD+DVD「太陽肛門スパパーンと人間」に素晴らしいコメントいただきました。七里さんの映画は音楽も本当に素晴らしいです。ありがとうございます。
 まだ購入・視聴していない方は今すぐお願いします!!
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発売から半年近くも聞くことができなかった。
太陽肛門スパパーンのベスト盤なんて、そんな、怖ろしすぎる。
どのくらい余裕があれば、受け止めることができるだろう。
そう躊躇するうちに、こんなに月日が経ってしまったのだ。
で、結局、全く余裕がない今、血迷って、勢いで、ディスクをスロットに入れた。
初っ端のフレーズから、ぶっ飛んでしまった!
なんてことだ、なんでもっと早く聞かなかったのだ!!
ヤバいよ、今この苦境が、桃源郷に思えてくる。
これだこれが歌なんだ音楽の力なんだ。
あまりに素朴な感動に、気がついたら、爆笑しながら頭を激しく縦に振っていた。
 七里圭(映画監督) 
http://taiyoukoumonn.web.fc2.com/supanin_comment.html

●批評家/HEADZ代表の佐々木敦さんから素晴らしいコメントをいただきました!ありがとうございます。最近共演する音楽家にHEADZ絡みの人多く、ご縁と必然を同時に強く感じています。以下コメントです。

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「音楽に政治を持ち込むな!」などという発狂してるとしか思えない主張も散見される昨今、太陽肛門スパパーンはそもそもの始まりからそこんとこを思いきり持ち込みまくりつつ、しかし単純素朴なプロパガンダとは一味も二味も異なる真にラジカルなポリティカルポップスを追求してきた。

そこではメロディが擾乱を喚起し、グルーヴが革命を欲望する。
ニッポンの歌謡の魂が、Jポップの虚妄と刺し違える。

ー佐々木敦(批評家/HEADZ)

●日本の映画・サブカルチャー評論家、詩人、北海道大学准教授の阿部嘉昭さんから相変わらず鋭く本質をついた素晴らしいコメントいただきました!ありがとうございます。
阿部さんがかつて雑誌「ユリイカ」に掲載した太陽肛門スパパーンに関する論考、阿部さんがかつて早稲田大学で太陽肛門スパパーンを題材にして行った授業のレジュメは以下で読むことができます。

http://taiyoukoumonn.web.fc2.com/shoukai.html

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ポップスを脱臼させてもポップはさらに継続強化される――それが花咲政之輔の思想だろう。コード進行において、郊外論と生活論と政治論を反映させたかにみえる歌詞において、すべてアンフォルメルであること、これこそがポップの過激な多形倒錯をつくりあげる。それにしても稀代のヴォーカリストともいえる花咲の声のなんとスケベなこと。「たんなる淫猥」「ファンキーなジゴロ声」から「調性の外側へのまさぐり」まで、ビブラートをふくんだ声が世界を愛撫するのだ。とどのつまり楽曲のうつくしさにうっとりとしてしまう――これはなにかの間違いなんじゃないか(笑)。もちろんアルバムごとにコンセプトをしぼりあげてきた太陽肛門スパパーンに「ベストアルバム」などありえない。ところが曲が選ばれ並べられると、偶然が「ベスト」になってしまう。これもなにかの間違いなんじゃないか(笑)。ならば次は、ぜひ歌モノ集ではなく、コラージュ編集による「演奏集」のベストも!


ー阿部嘉昭(映画・サブカルチャー評論家、詩人、北海道大学准教授)

政治学・日本政治思想史学者の尾原宏之さんから素晴らしいコメントいただきました。

たかだか東京の一バンド「太陽肛門スパパーン」ですら20年の歴史がある。ロシア革命からまだ100年しか経っていないことを考えると、まだ我々人類は共産主義の可能性を捨てるには早すぎるということを実感します。いずれにせよ資本主義のままでは人類は破滅するしかないのですから。

尾原クンの最新著作「娯楽番組を創った男:丸山鐵雄と〈サラリーマン表現者〉の誕生」は我々フリーランス表現者にも非常に参考になる必読書といえるでしょう。以下コメントです。

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太陽肛門スパパーンが結成されたのは、天安門事件、ベルリンの壁崩壊、チャウシェスク処刑に象徴される1989年である。左翼の旗を掲げる花咲政之輔たちが敗勢を戦いはじめてはや28年が経過した。
 
 その活動時期の大半は、日本の「失われた20年」に該当する。それは、左翼にとっても失うものがあまりに多い歲月だった。追い詰められる一方なので、左翼が本来持つべき美徳である自己批判と自己変革の精神は姿を消した。共産主義革命が切り開く人類史の展望もマルクス主義の「科学」も忘れられ、PC的揚げ足取りや護憲のための護憲、「ネトウヨ」との攻防、人集めに多少の効能があるサブカル運動などにとってかわられた。
 
 本作は、中央線「木賃ベルト地帯」や小田急沿線の新興住宅街で蠢いた人々(私もそのひとりである)の上を通り過ぎた歲月を追体験させてくれる。それは、アカデミズムも左派リベラル論壇も捉えそこなった「失われた20年」の大衆精神史といえるかもしれない。その中に身を沈めることは甘美で痛苦だが、同時に、自分自身を笑い飛ばす精神、自分自身を変えていこうとする精神が持つ可能性にも、改めて気づかされる。

尾原宏之(政治学・日本政治思想史)

●音楽学者(ポピュラー音楽研究)の輪島裕介さんから熱のこもった素晴らしいコメントいただきました!

はっぴいえんど及びその出身者4名への「神話化」にかねてから疑問を抱いていた私にとって、輪島さんのはっぴいえんど神話に関する論考はまさにわが意を得たりという感じでした。現代日本ポピュラー音楽への視点は、少なくともアカデミックな研究者の中では最もシャープかつ深いと思います。コメントありがとうございます。こちらこそ今後とも引き続きよろしくおねがいします。

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今を去る20数年前、大隈講堂裏早大ラテンアメリカ協会部室で一日の大半を過ごしていた。地方から出てきた18歳の自分には、都心の廃墟のような空間での放恣や逸脱や怠惰のすべてが危険な輝きを放っていた。入部当初、すでに5、6年生だった先輩から、「ブル軍はやばい。近づくな」と聞かされたことがあった。その時はこの界隈にラテアメ以上にやばい場所があるのかと訝しんだだけだった。
 数年後、後輩たちが太陽肛門スパパーンという大所帯バンドのパーカッションに動員されていた。人身御供のようでもあった。かなり上の先輩はほぼパーマネントで入っているようだった。興味はあったが、後輩に様子を聞いても、フリージャズなんだけど歌謡曲でシモネタや寸劇が入って、といった説明でイマイチなにやってるかわからず、当時の自分はブラジル・バイーアにドハマりして原理主義的になっていたこともあってライブを見ることはなかった。
 その後10年ほどの紆余曲折を経て、68年思想と演歌についての本を書いた。その時、思想的に最も影響を受けたすが秀実氏の著作のなかで、別の名前になっていた討論者が「ブル軍の小川さん」だということに気づいた。「やばさ」の意味が少しわかった気がした。でもまだ音は聞いていなかった。
 さらに数年たち、今回、縁あってCDをお送りいただいた。後輩の名がクレジットされている90年代の録音を聞いて、その1,2年前までリアルに東京郊外の女子高生だったやつが「女子高生組曲」を演奏していたのか、と妙な感慨をもった。それはさておき、「演歌」が70-80年代の自己満足的な「日本人論」言説に包摂され、あるいは現今の「昭和歌謡」が一方ではオシャレサブカル商品化し、他方では懐古趣味的なナショナリズムに包摂されつつあるなかで喪われてしまった、過去の通俗的流行歌スタイルを猥雑かつ批評的に用いた戦闘的再構築、という「正しい」(とあえて言おう)方向が、ここに息づいていることに気付かされ、今更ながらボディブローのような衝撃を受けた。というか気付くまでに時間がかかりすぎだ。ちゃんとしろ、自分。
 四半世紀たってしまいましたが、これからよろしくお願いします。

ー輪島裕介(音楽学者・大阪大学/大学院准教授)

哲学者・一橋大学教授の大河内泰樹さんから素晴らしいコメントいただきました。ありがとうございます。

大河内泰樹さんは太陽肛門工房終身メンバーでもあります。(太陽肛門工房は一回録音・ライブに参加すると終身メンバーになる制度を採用しています)皆さん、ぜひ熟読し、CD/DVD「太陽肛門スパパーンと人間」を熟視・熟聴し、共に闘わん!

以下コメントとなります。

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太陽肛門スパパーンはわたしの青春の一部なのでそれを客観的に評することなど出来ないのだが、しかし考えてみればこのCDで耳にすることができるのは、この50年くらいの間に音楽を聴きながら成長したすべてのひとの青春なのかもしれない。ここで消化されているすべてのジャンルの音楽に通じている必要はない(わたしはそうでない。ただ詳しい方がきっともっと楽しい)。でもはじめて聴く人も、そこに全く新しいにもかかわらずどこか懐かしいものを見出すだろうとおもう。

 しかしまたたんなる音楽ではなく、表現としての太陽肛門スパパーンは、同時にそうした懐かしさのもとになっているわたしたちがどっぷりつかっていた文化そのものを相対化し、批判的に見ることを可能にする。そこで転覆されるのは、実はそうと認められなくても、時代のメディアによって形成されたわたしたちの意識でもある。素晴らしい音楽も芸術もイデオロギーとともにやってくる。だからそうしたイデオロギーの批判も同じ音楽と芸術によって行わなければならない。そうした自己言及的構造の中でしか解放は可能にならない。だからその一見政治的に正しくない歌詞も圧倒的な政治的正しさに支えられているのだ。

大河内泰樹(哲学者・一橋大学教授)

天才シンガーソングライターの北村早樹子さんより、太陽肛門スパパーンベストCD&DVD「太陽肛門スパパーンと人間」へ超クールなコメントいただきました!皆さん熟読討議の上、まだ持っていない方は今すぐ購入・熟聴熟視お願いします。 既に持っている方はお友達同志等にプレゼントするべくもう一枚を!以下コメントとなります。
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「ブリーフ一丁で戦う太陽肛門スパパーンはこんなに男臭いバンドなのに、歌の中にはいつもちゃんと女子が生き生き存在していて、歌にはいつもちゃんと私とあなたが存在している。花咲さんは実はとっても女子にやさしいことを知ってしまいました。ベストアルバム発売おめでとうございます。」

北村早樹子(歌手)

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